正社員の転職倍率は0.99倍——「売り手市場」の落とし穴と、20代が転職を成功させる3つの準備

🔖 この記事でわかること

  • 「全体の有効求人倍率1.18倍」と「正社員限定0.99倍」の間に何が起きているのか
  • 職種・業界によって最大10倍以上の格差がある転職市場の実態
  • 「売り手市場」という言葉が当てはまる人・当てはまらない人の違い
  • 20代が正社員転職を成功させるための3つの具体的な準備

「今は転職しやすい時代だと聞いた。でも書類が全然通らない」——そういった声を、クラフトキャリアへの相談の中でよく聞きます。

「有効求人倍率が1.18倍だから転職しやすいはず」という情報は、完全な誤りではありません。しかし、この数字には大事な前提が抜けています。「全体の倍率」と「正社員限定の倍率」は、大きく違うのです。

2026年3月、厚生労働省が発表したデータに、静かな衝撃が隠れていました。正社員の有効求人倍率が、ついに1倍を割って0.99倍になったのです。この記事では、その数字が示す転職市場の実態を正確に解説し、20代が今、何を準備すべきかを具体的にお伝えします。不安をあおりたいのではありません。正しいデータを持って動ける20代でいてほしいのです。

1. 有効求人倍率「1.18倍」の裏側——正社員枠は0.99倍という現実

まず「有効求人倍率」という言葉の意味を確認しましょう。これは「求職者1人に対して何件の求人があるか」を示す数字です。1倍を超えると「求人の方が多い(転職しやすい)」、1倍を下回ると「求職者の方が多い(競争が激しい)」という意味になります。

📊 2026年3月 雇用統計(厚生労働省)

全体の有効求人倍率:1.18倍(季節調整値)

正社員の有効求人倍率:0.99倍(季節調整値)——2026年3月時点で1倍を下回る

転職求人倍率(doda調べ):2.38倍(転職意向者ベース・全雇用形態含む)

令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の年度平均:1.20倍(前年1.25倍から3年連続低下)

全体の倍率1.18倍には、パートタイムや派遣、アルバイトの求人も含まれています。これらは正社員求人に比べて数が多く、全体の平均を押し上げています。しかし「正社員として転職したい」という多くの20代が実際に争うのは、0.99倍という正社員枠の土俵です。

全体の有効求人倍率

1.18倍

パートタイム・派遣・アルバイトの求人を含む。「転職しやすい」という言葉の根拠になりやすい数字。

正社員の有効求人倍率

0.99倍

正社員求人のみに絞ると1倍を下回る。「書類が通らない」という感覚はこの数字が説明している。

「転職市場が悪化した」という話ではありません。正確には「正社員の需要と供給のバランスが、思っていたより厳しい」のです。「転職しやすい時代」という言葉はそのまま使えず、より正確には「求人の数は多いが、正社員枠の競争は実態として激しい」と言うべき状況です。

この数字を知らないまま転職活動をスタートすると、「求人はたくさんあるのに書類選考が通らない」という経験を繰り返す原因になります。まず数字の意味を正確に知ることが、転職活動の第一歩です。

2. 職種・業界別で最大10倍超の格差——あなたが狙う職種の倍率は?

さらに重要なのは、転職倍率は「職種・業界によって極端に違う」という事実です。全体平均だけを見ていると、本当のチャンスを見落としたり、逆に難しい土俵で戦い続けてしまいます。

主要な職種・業界別の転職求人倍率(2026年・doda調べ)

コンサルティング

7.77倍

戦略・ITコンサル共に需要継続。ポテンシャル採用も活発。

IT・通信

6.3倍

エンジニア不足が深刻。文系・未経験採用も増加中。

法人営業・SaaS営業

4〜5倍超

接客経験からの転職事例が多数。未経験歓迎求人が増加。

カスタマーサクセス

3〜4倍

SaaS市場拡大に伴い急増。対人スキルが高く評価される。

人材・採用支援

3倍前後

第二新卒採用拡大で業界自体も成長中。安定度が高い。

小売・流通(正社員)

0.64倍

求職者が多く正社員枠の競争が特に厳しい状況。

同じ「転職市場」の中でも、IT・コンサル方面では求職者1人に対して6〜7件以上の求人がある「超売り手市場」です。一方で、小売・流通の正社員枠は0.64倍という「買い手市場」になっています。

同じ接客・販売の仕事をしていた人でも、「どの職種・業界に転職するか」によって転職の難易度は大きく変わります。この事実が、転職先を選ぶ際の最重要ポイントです。

💡 ポイント

販売・接客・飲食の経験がある20代が「同業種・同職種の正社員」に転職しようとすると倍率は厳しくなります。しかし、法人営業・カスタマーサクセス・人材コーディネーターといった「対人スキルが活かせるホワイトカラー職種」へのシフトを選べば、転職の難易度は大幅に下がります。「業界ではなく職種で選ぶ」という発想の転換が、転職成功の鍵になります。

3. 「売り手市場」は誰の話?——20代・第二新卒が置かれている本当の状況

「転職は今が売り手市場」という言葉が当てはまるのは、主にIT・エンジニア・コンサル系のスキルを持つ人です。これらの職種では慢性的な人手不足が続き、未経験でも採用される事例が出ています。

一方、飲食・接客・販売・施工管理出身の20代が「同じ業種内で正社員に転職したい」と考えると、ハードルは一気に上がります。なぜなら、これらの業種の正社員求人倍率は全体平均を大きく下回るからです。

20代・第二新卒にとっての追い風も確かにある

ただし、悲観する必要はありません。2026年最新データには、20代への明確な追い風も存在します。

📊 20代転職者に関する最新データ(2026年)

✓ 大手企業の88%近くが2026年も第二新卒採用を予定(日経BP調査)

✓ 採用担当者の74.7%が第二新卒にポジティブなイメージを持つ

✓ 未経験可の求人件数:前年同期比121.8%に増加(2026年5月・マイナビ調べ)

✓ 転職後の20代平均年収増加:+21.5万円(マイナビ転職動向調査2026年版)

✓ 三菱電機など大手企業が「卒業後3年以内」の採用基準を廃止しポテンシャル評価採用へ移行

「正社員転職倍率0.99倍」は確かに厳しい数字です。しかしそれは「異業種・ポテンシャル採用の扉が閉まっている」という意味ではありません。正社員採用の全体的な競争が激しいからこそ、「どの職種に転職するか」「どう選考を突破するか」の戦略が成否を分ける時代になっています。

大手企業の88%近くが第二新卒を求めており、未経験求人は前年比で約2割増えている——これは「準備した人にとって今は非常に動きやすい市場」でもあるということです。

4. 20代が転職を成功させるための3つの準備

「正社員の倍率が0.99倍の時代に転職を成功させる」ために、今すぐできる準備が3つあります。「転職を急げ」ではなく、「正しく準備してから動く」ことが最大のリスクヘッジです。

🔑 今動き出すべき理由

マイナビの調査(2026年4月)によると、企業の中途採用実施率は前年比+3.7pt増加しており、6〜8月が採用ピークを迎える時期です。また未経験求人は前年比121.8%増と拡大しています。「今すぐ転職しなくていい」としても、情報収集を今始めることで、動けるタイミングが来たときの選択肢が大きく広がります。転職エージェントへの相談は、転職の意思決定とは切り離して「今の自分の市場価値を知る機会」として活用できます。

まとめ——データを知った上で、正しく動く

「売り手市場」という言葉が一人歩きしがちな転職市場ですが、数字を正確に見ると、正社員転職の競争は決して楽ではありません。それでも、20代・第二新卒には確かな追い風があります。大切なのは、「なんとなく動く」でも「不安で動けない」でもなく、正しいデータをもとに戦略を持って動くことです。

📌 この記事のまとめ

✓ 正社員の有効求人倍率は0.99倍。全体の1.18倍とは別の数字であることを理解する。

✓ 職種・業界によって最大10倍超の格差がある。IT・コンサル・CS・SaaS営業は有利、小売正社員は競争が激しい。

✓ 大手企業の88%近くが第二新卒採用を予定。未経験求人は前年比121.8%増。20代への追い風は本物。

✓ 転職を成功させるカギは「職種選び」「スキルの言語化」「エージェント活用」の3つ。

✓ 今すぐ転職しなくていい。ただし情報収集を今始めることで、最適なタイミングに動ける

転職するかどうか、まだ決めていなくて大丈夫です。まず「自分の状況をプロに話してみる」だけでも、今より多くの情報と選択肢が手に入ります。クラフトキャリアでは、完全無料・情報入力なしでLINEから相談をスタートできます。まずは話を聞くだけでも大丈夫ですよ。

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